当事者が複雑性PTSDを徹底解説!症状を緩和する方法5選

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「PTSDはよく聞くけど、複雑性PTSDってどういう病気なんだろう…?」

「フラッシュバックをどう対処したらいいかわからない…」

「感情が制御できなくてパートナーと喧嘩をしてしまった…」

この記事を見ているということはこういった悩みを抱えていませんか?

 

最近耳にするようになった『複雑性PTSD』。

複雑性PTSDについて調べると、専門家やカウンセリングオフィスなど治療する側の記事が多くあります。しかし、対策や解決方法がたくさん出回っていると、どれが一番良い病気との向き合い方なのかわからなくなったりしますよね?また、同じ病気を抱えている人側の意見を、聞く機会もなかなかありません。

 

私も同じような悩みを抱えながら、現在、複雑性PTSDを患っています。

当事者だからこその経験をもとに、本記事では症状を緩和する方法について伝えていきます。

最後まで読んでいただければ、複雑性PTSDの大まかな概要について理解でき、どう自分の病気と向き合っていけばいいかが分かります。

あなたがこの記事を読んだことで、こころが少しでも軽くなることを願っています!

 

1.複雑性PTSDとは反復的なトラウマ体験

 

1-1.複雑性PTSDとPTSDの違いはトラウマ体験の期間と反復性

PTSDは自分やほかの誰かが命の危険にさらされるような出来事に直面した後に発症します。例えば、戦争や自然災害、深刻な事故、身体的・精神的暴力などです。短期的な出来事が原因となります。

それに対して、複雑性PTSDは慢性的に繰り返されるトラウマによって発症する病気です。例えば、虐待や監禁、傷つけられる体験から逃れられない状況下が続くなど長期的なストレスの蓄積によって発症します。

 

 

1-2.複雑性PTSDの主な症状は再体験・回避・過覚醒

  • 再体験

再体験とは、過去のトラウマがまるで”今”起こっているかのように、繰り返しよみがえる現象です。これらは、脳がトラウマの情報を適切に処理できず、「その当時、起こった出来事」や「その当時、感じた感情」が未解決のまま残されているために起こると考えられています。フラッシュバックや悪夢などが挙げられます。

今回の記事で扱うフラッシュバックについては以下のような状態を指します。

 

【フラッシュバック】

トラウマ体験が鮮明に再現され、あたかも現在進行形でその体験の中にいるかのような感覚になります。この際、現在・未来・過去の”時間”という感覚が感じにくくなります。

フラッシュバックには「感覚フラッシュバック」と「感情フラッシュバック」の2つがあると言われています。違いは以下のようになっています。

 

 

項目 感覚フラッシュバック 感情フラッシュバック
定義 過去のトラウマ体験に関する感覚(視覚・聴覚・嗅覚・触覚など)がよみがえること トラウマの状況で感じた、恐怖・怒り・絶望などの感情がよみがえること
特徴 視覚的な映像が頭に浮かび、音や匂いなどがリアルに再現される。 特定の記憶映像ではなく、強烈な不安・恐怖・孤独・無価値感などの感情が押し寄せる。数日間影響を残すこともある。自覚できないことも多い。
よくある

体験の例

過去のトラウマと似た音をきいて、身体が固まる。 誰かの言葉で猛烈な自責感を抱く。
PTSDと複雑性PTSDの関係 主にPTSDでよくみられる 主に複雑性PTSDで見られる

 

 

【悪夢】

トラウマ体験そのものや、似たような出来事が悪夢として現れることがあります。トラウマ記憶が脳内で統合されず、睡眠中に再活性化することが原因だと考えられています。特徴をまとめたものは以下の通りです。

項目 内容
内容 トラウマ体験の直接再現

象徴・抽象化された夢

回数 繰り返し出現・反復性あり
感情 恐怖・絶望・孤立感など(内容より感情が特徴的)
睡眠影響 入眠障害・中途覚醒・疲労感に繋がる
特徴 内容があいまい・多様化しやすい・持続しやすい

 

 

  • 回避

トラウマ体験が思い出させられるような場所・人・物・状況を避けようとする症状のことです。自分では気づけずに、無意識に回避行動をとることもあります。

特に感情回避と呼ばれる症状は、複雑性PTSDによくみられます。フラッシュバックの前後など「感じると辛すぎる」状況になったときに、感情を感じないことで自分を守ろうとする自己防衛です。

 

  • 過覚醒

過覚醒とは神経系が慢性的に興奮・警戒状態にあることを指します。複雑性PTSDは自律神経が安定していないことが多く、交感神経(緊張・興奮・警戒)と副交感神経(休息・消化・回復)の切り替えが苦手な場合が多くあります。この交感神経と副交感神経のバランスのとりにくさが、過覚醒の大きな原因の一つとされています。過覚醒に該当する具体的な症状や特徴は以下の通りです。

 

・睡眠障害

・集中困難

・日常的に緊張が抜けない

・慢性的に体が張っている

 

 

1-3.複雑性PTSDになる原因は長期にわたる反復的なトラウマ体験

複雑性PTSDとは、トラウマ体験が長期的に続いたり、何度も繰り返し起きたりすることで、PTSDが複雑化した症状のことを指します。WHO ICD-11の診断基準としては「逃げられない状況で繰り返された、極度のストレス体験」となっています。正式な診断名として認められたのは、2018年とごく最近のことです。

主な原因として挙げられるのは、以下のようになっています。

 

・幼少期の虐待

・ネグレクト

・性的虐待

・親密なパートナーからのDV

・捕虜、拷問、人身売買

 

特に幼少期や思春期におけるトラウマ体験があると、複雑性PTSDの発症率は高くなるといわれています。

2.複雑性PTSDの治療法について

複雑性PTSDは最近認められるようになった病気でもあるため、ほかのよく知られている精神疾患に比べて治療法はまだ確立していないと言われています。よく見られる治療法についてまとめました。ぜひ参考にしてください!

 

2-1.心理療法

心理療法は治療の中心とされており、薬よりも優先されることが多いです。トラウマそのものに向き合う段階的なアプローチが重視されます。心理療法にはさまざまありますが、自分に合ったものを受けることが大事になってきます。

具体例としては以下のようなものがあります。

 

・認知行動療法

考え方(認知)と行動に働きかけることで、気分や感情を改善する心理療法です。人の気分や行動は、出来事そのものではなく「その出来事に対する捉え方」によって大きく変わるため、自動的に浮かぶ否定的な考え方や捉え方に気づき、現実的な視点へ修正していくことを目指します。認知行動療法は科学的な効果が実証されており、短期間で効果が出やすいなどのメリットがあります。ただし、自分で考えたり行動したりする力が必要な心理療法になるため、ある程度の内省力や意欲、集中力が必要になります。複雑性PTSDなどの課題である幼少期のトラウマや愛着の問題へのアプローチは弱いため、補助的に使われることが多いです。

 

・EMDR

トラウマ記憶に伴う苦痛や反応を軽減するためにおこなわれる心理療法になります。脳内の情報処理システムを活性化し、未処理のトラウマ記憶を整理・統合することが目的です。フラッシュバック、過覚醒、不安反応などの軽減が期待できます。特にPTSDに対して高い効果があると言われている心理療法です。薬を使わず、眼球を左右に動かすなどの刺激によって治療していくため、身体的な副作用がない点がメリットになります。しかし、専門的な訓練を受けたセラピストがまだ少なく、実施できる機関や専門家が限られている心理療法でもあります。

 

このほかにも様々な心理療法がありますが、「その時の状況」や「その時一番困っていること」によって何を行うかは変わっていきます。心理療法何かしたいけど、何したらいいかわからないという方は、まずはカウンセリングを受けることから始めると良いでしょう。スマホやパソコンがあれば相談できる、オンラインカウンセリングは気軽に受けることができて、気持ちのハードルもぐっと下がるのでおすすめです。

下記におすすめのオンラインカウンセリングを紹介していきます。ぜひ参考にしてください!

 

1.cotree

・日本最大級のカウンセリングプラットホームで安心感がある。

・カウンセラー登録には実務経験3年、セッション実績100件以上が必須。採用後もカウンセラーの質やカウンセリングの満足度を定期的にチェックしている。

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2.kimochi

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3.mezzanine

・精神保健福祉士、EAPメンタルヘルスカウンセラー、キャリアコンサルタント資格保持者などの専門資格を全員が保持している。

・料金が一律でわかりやすい。

・仕事、職場、対人関係に関する悩みに強い。

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2-2.薬物療法

薬物治療は複雑性PTSDの治療においては補助的な役割とされています。基本的に、睡眠障害・不安・鬱・過覚醒などの症状を緩和する目的で使用されます。主に使われる薬は以下の通りです。

 

①抗うつ薬→うつや不安症状の軽減に有効です。

②睡眠導入薬・抗不安薬→不眠・悪夢・過覚醒への一時的な対処として使われます。

③気分安定薬→解離や衝動性が強い場合に補助的に使用されます。

 

2-3.精神科訪問看護

精神科訪問看護は通院が難しく、1人での生活が危ういなどの症状が安定していない時期の「生活の安定支援」として有効です。複雑性PTSDにおける精神科訪問看護の主な役割としては以下にまとめています。

 

・情動調整の支援

急な感情の波や不安、過覚醒に対して、安全な場での対話や呼吸法の助言などを提供してくれます。

・再体験や解離への対応

フラッシュバックや解離症状が出た時に、声かけや安全確認など落ち着けるように関わってくれます。本格的なEDMRなどのトラウマ処理は出来ないため、あくまでも応急対応や安定化支援の範囲になります。

・日常生活の支援とモニタリング

生活リズム・服薬状況・食事・睡眠などの安定を図り、特に自立生活が難しい時期の生活支援として重要になります。

・孤立の防止

複雑性PTSDは人間不信や対人恐怖が強く出る場合があるので、外部との「安心できる関係性」として役立ちます。

・医療機関との連携・悪化の早期発見

状況変化を主治医と連携し、必要な受診に繋げることができます。

 

このようにさまざまなサポートを受けることができるのが精神科訪問看護のメリットとなります。ただし、医療者との相性によって左右されたり、心理療法そのものを行うことは出来ないため、あくまでも自立生活が難しい時期として利用することがおすすめです。

 

2-4.筆者の考え

これからは複雑性PTSDの治療法について、私の考えを伝えていきたいと思います。参考程度に読んでいただけると嬉しいです!

 

そもそも複雑性PTSDは最近になって認められるようになった病気でもあるので、確立した治療法はあまりないと言われています。そして、あまり知られていないからこそ病識をもつことも難しい病気だと個人的に感じています。私自身、自分が複雑性PTSDであると自覚できたのも、たまたま学生の頃にカウンセリングを受ける機会があったからです。今まで感じていた生きづらさは「病気」だったのだと知ることができました。

 

複雑性PTSDの治療法はいろいろありますが、自分に合ったものを見つけるのはやはり大変な作業だと思います。例えば、カウンセリングを受けることになったとしても、合わない治療法によってフラッシュバックがしやすくなったり、カウンセラーとの相性が良くなくトラウマが増えてしまったりなどのリスクもあります。

 

それらをふまえて、大事にしてほしいものが「安心感」です。話していて気持ちが楽になったり、前向きになったりすることができる治療者を見つけていくことが大事です。それを知るためにはある程度回数をこなすことが必要です。私の感覚としては2、3回話してみても、気持ちが下がるなら、新しく別のカウンセラーを探すことをおすすめします。また、トラウマを専門としているひとに絞ってカウンセラーを探していくことも円滑に治療が進められる手助けになるので、ぜひ参考にしてください。

 

3.フラッシュバックを緩和する方法5選

複雑性PTSDは、PTSDに比べて回復に時間がかかる傾向が高く、慢性的な支援が必要とされます。長く付き合っていく病気でもあるため、回復に近づくために自分でできることをやりながら症状を安定させたいと考える方も多いのではないでしょうか?

複雑性PTSDの回復基準は様々ありますが、ここではその一つのフラッシュバックが緩和されることに焦点をあてていきます。

 

3-1.フラッシュバック時の脳の原理

まずは、フラッシュバックがどのような「脳の原理」で起きているのかについて解説していきます。

通常、日常の記憶は偏桃体(感情を司る脳の部位)と海馬(時間と場所を司る脳の部位)前頭前野(意味付けや思考・判断などを司る脳の部位)で処理され、過去の記憶として整理・保管されます。しかし、トラウマ体験では、強烈なストレスでこの処理がうまくいきません。よって、海馬が機能低下して時間の情報がうまくつかなかったり、偏桃体が過覚醒状態で「危険」だけを強く記憶したりしてしまいます。

特定の匂い・空気・音・時間帯などの刺激が、偏桃体に記録されたトラウマ記憶と無意識に結びつくと、脳がその記憶を「現在進行中の出来事」として再生してしまいます。これがフラッシュバックという現象になります。

トラウマ刺激によって偏桃体が過活動になると、思考や判断などの理性的な部分を司る前頭前野の機能が低下してしまうことで、制御が効かない状態になります。この偏桃体の過活動を抑制し、前頭前野を活発にして「今ここ」に気持ちを戻すためには、偏桃体と前頭前野にアプローチをする必要があります。

偏桃体は感覚や動きなど、体を通して得る体の情報をもとに動き、前頭前野は言葉を通して得る情報をもとに動きます。フラッシュバックをしているときは偏桃体が優位になっているため、以下から紹介する1と2と5の対処法が役に立ちます。前頭前野を活発にすることもフラッシュバックを終わらせることに繋がるため、以下に示された3と4の対処法も効果的です。

 

3-2.フラッシュバックの緩和方法5選

では、さっそくフラッシュバックの緩和方法を5選紹介していきます!

 

3-2-1.ボックス呼吸

正方形の辺の長さがすべて同じように、同じ長さで「息を吐く」「息を止める」「息を吸う」を繰り返す呼吸の仕方になります。

 

1.ゆっくりと息を吐く

2.吐いた息と同じ秒数で、息を止める

3.吐いた息と同じ秒数で、息を吸う

4.吸った息と同じ秒数で、息を止める

 

1〜4を自分が落ち着くまで繰り返していきます。

呼吸のリズムに集中することで、フラッシュバックの原因ともなっている偏桃体の過活動が抑制され、不安やパニック状態からの回復が促進されます。自律神経は一定のリズムで安定しやすくなるので、同じ秒数が大事になってきます。また、呼吸に意識を向けることで過去・未来の思考から切り離され、現在に注意を戻すことができるので、フラッシュバックを緩和することに繋がります。

 

3-2-2.54321法

これらは身の回りに「見えるもの」「聞こえるもの」「感じるもの」に集中することでリラックスする方法になります。

 

1.自分の目に入るものを順番に5つ口に出す。

「本が見えます。ベッドが見えます。天井が見えます…」というふうに言葉にする。

 

2.聞こえるものを順番に5つ口に出す。

「エアコンの音が聞こえます。車の通る音が聞こえます。風の音が聞こえます…」というふうに言葉にする。

 

3.感じるものを順番に5つ口に出す。

「自分の手のぬくもりを感じます。足が床についているのを感じます。ズボンが足に触れるのを感じます…」というふうに言葉にする。

 

4.次に見えるもの・聞こえるもの・感じるものをそれぞれ4つずつ、3つずつと少しずつ減らしていきながら口に出す。何回言ったのかわからなくなっていくが、うまくいっている証拠なので気にせずやる。また、同じことを言ってもOK。

 

5.これらを5,4,3,2,1と繰り返す。

 

この54321法は、視覚・聴覚・触覚などの「五感」を使って、現在の安全な空間に意識を戻し、「私はここにいる」と脳に再認識させることができます。また、数を数えることは前頭前野を活性させる働きがあり、偏桃体の恐怖や不安の暴走を抑えてくれる役割があります。

 

3-2-3.自分に言い聞かせる

これから紹介する言葉を口に出して、自分に言い聞かせます。

「今、私はフラッシュバックをしている」

「これは昔の記憶で、今の現実ではない」

「今、ここは安全な場所である」

 

このように言葉にすることで抑制された前頭前野の動きが活発になり、「これは過去」だと認識できる力が戻ります。

 

3-2-4.言葉で過去と現在を区別する

現在の日時と年齢を以下のように言葉にしましょう。

「今は2025年6月30日、午後12時23分。私は今20歳。」

また、現在の状況を言葉にすることも効果的です。

「私は今、学校に向かうためにバスに乗っている。」

 

この方法は前頭前野の現実識別機能を再起動させる働きがあります。

 

3-2-5.動かせる部分に意識を向ける

強烈なフラッシュバックを起こしてしまうと、「動けない」と感じてしまうこともあります。その場合は、「動かせる」部分に意識を向けましょう。例えば、目の動きや指先、呼吸をすることで動く肺などかすかな動きでも構いません。動かせる部分に意識を向けていると、徐々に動かせる場所が増えていきます。

 

3-3.緩和する方法を実践する上で大切な心構え

紹介した緩和方法以外にも、フラッシュバックを緩和したり終わらせたりするのに良い対処法はたくさんあります。自分に合った方法を見つけて、自分なりのフラッシュバック緩和方法を身につけましょう。

 

また、対処法を使った後はすこしでも良くなった部分に意識を向けましょう。対処法を使って少しでも良くなったという成功体験を積むことで、脳が再学習して、よりフラッシュバックの対処が上手になっていきます。焦らずにゆっくりと自分のペースで進めていくのがカギです。

 

4.複雑性PTSDについてのおすすめの本3選

4-1.がんばることをやめられない コントロールできない感情と「トラウマ」の関係(鈴木裕介)

この本はトラウマについて、マンガをもとに理解が進む内容となっています。トラウマについて学びなおしたい、または、急に感情がコントロールできなくなる時があって困っているという方にお勧めの本です。

私が、感情のコントロールが効かなくなることに対して自分のせいではなく、トラウマが原因なのだと気づけた本にもなります。ぜひ読んでみてください!

 

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4-2.今すぐできる心の守り方 フラッシュバック・ケア(服部信子)

Screenshot

こちらの本は上記で紹介したフラッシュバックの緩和方法についてやフラッシュバックの脳の原理について、参考にした本にもなります。

紹介した緩和方法以外にも対処法がたくさん載っているため、もっと対処法を知りたい方やフラッシュバックについての理解を深めたい方にお勧めの本になります。

 

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4-3.我慢して生きるほど人生は長くない(鈴木裕介)

Screenshot

この本はトラウマなどについては触れていませんが、私個人の考えとして複雑性PTSDを患っている方は自責感を持っていることが多いです。自責感や自分の人生をコントロールできていない感覚を和らげるためのヒントがたくさんある本となっています。

 

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5.良くある疑問について

複雑性PTSDについてよくある疑問にお答えしていきます!

私がこの病気と向き合っていく中で学んだことや知ったことをもとに答えていくので、参考程度に見てくださると幸いです。

 

5-1.複雑性PTSDは治るのか?

複雑性PTSDを完璧に治すことは出来ないのではないかと私は考えています。ただ、回復して自分の生活に支障をきたさないようにすることは出来ると思います。この病気は自分の身を守るために身体が危険だと覚え、生き延びるための生存戦略として発症します。例えば、その当時は、解離をして感情を感じられないようにすることでその場を生き延びることができたのです。しかし、その危険だった過去と現在は違っているので、脳に再学習させる必要があるというだけなのです。完全につらかった時の感覚や記憶をなくすことは出来ませんが、自分らしい人生をこの病気を抱えながら生きていくことは出来ると思います。

 

ちなみに、実際の医学的な基準での回復は、複雑性PTSDの中核症状が明確に減少または消失していることを指します。

 

5-2.自力で治すことは可能か?

複雑性PTSDから回復する過程で、自分自身で行うケアと周りにしてもらうケアの両方が必要だと私は思います。

私はそもそも自分が複雑性PTSDであることに気づけず、学生時代はたくさん苦労してきました。普通になりたいのに普通になれず、周りの大人に相談しても一般的な対処法しか教えられず、教えられた対処法でも解決できないことでより自責をしてしまって悪循環が続いていました。そんな中で、運よくカウンセラーと話す機会があり、病気だと気づくことができました。

日常で感じる不安感や睡眠障害には薬の治療が必要になりますし、人によっては心理療法も必要です。それ以外での日常生活では、自分の病気を理解して支えてくれる人がいれば、より回復も円滑に進むでしょう。

よって、自分一人だけの力だけでは難しいのではないかと考えています。そもそも人間はひとりでは生きていけませんので、専門機関でも身近な人でも頼れる人がいると心強いです。

 

5-3.複雑性PTSDは障害年金を得られるか?

2025年7月の現在、複雑性PTSDは原則として障害年金の対象外です。ただし、重い鬱状態や統合失調症に相当する症状が併存している場合は、精神病相当として年金の対象になることがあります。申請の要件としては、まず医師による診断書で精神病相当と判断されることが第一歩になります。しかし、先ほども述べたように複雑性PTSDのみでは障害年金を得ることができないので、それ以外のうつ病や幻覚・妄想などの精神病症状が併発していることが分かる診断書が必要です。また、日常生活・就労能力への影響が医学的に証明されていること、初診日の記録の確認や、治療経過・病状の詳細な記載による資料が重要です。

 

https://www.nenkin.go.jp/

 

*まとめ

6.まとめ

今回の記事では、複雑性PTSDの症状の一つであるフラッシュバック緩和方法についてまとめていきました。フラッシュバックしてしまうことがあったとき、どれが自分に効くのか実験してみるという気持ちで、対処法を実践すると少し気持ちが楽になるかもしれません。ぜひどれか一つでも試してみてください!記事の概要を以下にまとめました。この記事があなたの回復の一助になれたら幸いです!

 

1.複雑性PTSDとは反復的なトラウマ体験を指し、主な症状は「再体験・回避・過覚醒

」である。

2.複雑性PTSDの治療は信頼できると感じる人の元で行う。

3.フラッシュバックを緩和するには前頭前野と偏桃体へのアプローチが重要。

4.フラッシュバックを減少させるには小さな成功体験の積み重ねが必要。

 

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